創価学会 島田裕巳

 あの、オウム事件の島田先生の本。新潮選書ではあるが、スタンスは中立であると思う。(学会員からもそうであるかは?であるが)。
 宗教団体なのになぜ「学会」なのかということを明かしていく。この本の主旨は、創価学会とは農村の次男、三男が高度成長期に都市部にでてきて、大企業(=労働組合がしっかりしている)にはいれない層が中心となった、巨大な都市にできた「村」であるということ。「村」とはいえ、巨大な組織であるための官僚組織は必須であり、こうした「村」のエリート層と従来からの支持層との乖離を防ぐため、池田大作はがんばっていること。
 田中角栄伝である「異形の将軍」を読んだ時の感想もそうであるが、こうした、農村部の非エリート層というものに対する、シンパシーは私にはまったくといってない。むしろ、日本をだめにしている元凶でしかないとの評価である。巨大な克服すべきものを冷静に分析するのには役立つのではないか?